후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
「賃銀値上げのかけ合いのようなことは、お客の前へもち出すまでもないというわけか」
「でも、みんな真剣な顔つきでしたわ」
須美子が、どこかで見た真剣な男女の顔に感じた自分としての同感をあらわした。
「そりゃ、真剣だよ。僕はただ、いまのところ東部が中心だというだけだよ――いざとなれば、シャンゼリゼーへだってどこへだって出かけるだろうさ」
「そりゃそうでしょう。パリのペーヴメントはあのひとたちのもんだもの」
伸子はそう云ったがその話とは別に、若い恭介と須美子のやりとりのなかに、ぼんやりと流れる生活感情の擦れあいを感じとって伸子は、しばらくだまった。
「ほんとのパリがわかるのは、むずかしいことなのねえ」
伸子は、パリへ来てから、ちょいちょい心を掠める一つの疑問をもちはじめていた。フランスの貨幣には小さな十サンティームの銭にまで、自由、平等、博愛という三つの人類的な標語が鋳出されていた。フランスの人々は大革命このかたこの標語をかかげている。この重大で力のこもった三つの標語も一九二九年のパリの人々の生活のなかではいつの間にか本源的な発酵力をぬかれて、みんながそれを知っていてそれを誇りにしている一つのフランス的なものとして様式化されてしまっているのではなかろうか、とさえ思われることがあった。