후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
ば、こうやって、ひろく両開きになっているフレンチ・ドアと露台との境のところに、クッションをおいて坐っているしかなかった。
三階にある伸子たちの室のバルコンからは、繁ったプラタナスに半ばかくされている古びた石塀ごしに隣りの内庭が面白く眺められた。その小庭は誰のもので、どういうところなのかわからなかったが、大きく枝をはったプラタナスの樹の下に、緑色に塗った東屋のようなものがあって、その屋根は麦藁ぶきだった。小さな窓に黄色いカーテンがかかっている。お伽噺めいた麦藁屋根の緑色に塗られている小屋に好奇心をうごかされて、露台へ出るたびに伸子はきっとそこを見おろすのだったが、人影をとらえたことは一度もなかった。人がいることのあるのは確かなのに。ほとんど、いつも緑の小屋の窓はあいていて、そこから黄色いカーテンがのぞいているのだから。
ヴォージラールのその裏側は、昼間でも静かに、ひっそりとしていて、たくみに出入口をかくされている緑の小屋のぐるりは石塀に囲まれている。その壁のそとに、フランス風に砂利をしいた小道がひとすじ通っていた。その小道をへだてて、鉄の手摺りがついた五段の入口をもった三階の家があった。