후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
けれども、おしまいまで何心なく見て行った伸子は、これだけの写真の数の中にゴーリキイの子供の時分を撮したものは見なかったような気がした。けれども、見なかったということも、確かでなかった。
伸子は、またはじめっから、仕切りの壁に沿って見なおして行った。マクシム・ゴーリキイが生れて育った古いニージュニ・ノヴゴロドの市の全景がある。ヴォルガ河の船つき場や荷揚人足の群の写真があり、ニージュニの町はずれの大きなごみすて場のあったあたりもうつされている。写真の下に簡単な解説が貼られていた。このごみすて場からボロや古釘をひろって、祖母と彼のパンを買う「小銭を稼いだ」と。けれども、そこには、ごみすて場をあさっている少年ゴーリキイの写真は一枚もなかった。
写真の列は年代を追って、伸子の前にカザンの市の眺望を示し、アゾフ海岸の景色や、近東風な風俗の群集が動いているチフリス市の光景をくりひろげた。解説は語っている。カザンで十五歳のゴーリキイを迎えたのは彼がそこへ入学したいと思ったカザン大学ではなくて、貧民窟と波止場人足。やがてパン焼職人として十四時間の労働であったと。ここにもゴーリキイそのひとは写っていない。