일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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どうひょう

道標

宮本 百合子

宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면

아오조라 문고

その返辞は偽りでなかった。佃が悪い良人だったから伸子が一緒に暮せなかったのではなかった。佃は常識からみればいい良人であった。しかし伸子には佃のそのいい良人ぶりが苦しいのだった。平和で不自由のない家庭を自分たちだけの小ささで守ろうとすることに疑問のもてないいい良人ぶりが、伸子を窒息させたのだった。それ故、伸子がいま結婚を考えていない心には、佃とは別な誰か一人の男を見出していない、というよりも、伸子が経験した結婚とか家庭とかいうそのものの扱われかたに抵抗があるのだった。

モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来て半年近くなる伸子の感情には、結婚や家庭のありかたについて、ぼんやりした新しい予測と、同時に、どこかがちぐはぐな疑問が湧いて来ていた。伸子がみるソヴェトの生活で、たしかに社会的な施設は幸福の可能に向って精力的につくり出されていた。だけれども、彼女のふれたせまい範囲では、伸子の女の気持がうらやましさで燃え立つほど、新鮮でゆたかな結合を示している男女の一組を見たと思ったことはなかった。ルイバコフの夫婦にしろ、ケンペル夫妻にしろ、そして、並木道をぞろぞろと歩いている無数の腕をくみ合わせた男女たちにしろ。