일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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どうひょう

道標

宮本 百合子

宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면

아오조라 문고

素子がそう答えた。ペラーゲア・ステパーノヴァにはその返事が不平らしかった。

「革命からあと、少くともロシアには心臓病がふえました」

ふっと笑いたそうな影が伸子の口元を掠めた。

「わたしは一八年まではほんとに丈夫で、よく活動していました。あの火事までは。――ねえ、ニコライ。わたしの心臓は全くあの火事のおかげですね」

古軍服と同じように茫漠とした表情の元軍医は、そういう妻の問いかけを珍しくもなさそうに、

「うむ」

と云った。

「もちろんそうですとも、ほかに原因がありようないんです」

椅子によせかけてあったステッキをとって、コトコトとヴェランダの木の床を鳴らした。

「一八年にわたしどもはエストニアにいたんです。良人は病院長、わたしは婦長として。病院は、その村の地主の邸だったんですがね、何ていう農民どもでしょう? そこへ火をつけたんです。屋敷ばかりではなく、ぐるりの森や草原へまで――」

息をきらして、ペラーゲア・ステパーノヴァは話しつづけた。

「その晩だって、わたしどもはちゃんと屋根に赤十字の旗を立てておきました。ねえ、ニコライ。わたしたちの赤十字の旗は二メートル以上の大きさがありましたね」