후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
伸子は、そこを出入りしなれている者独特のこころもちで、一番地の木戸をはいって行った。ルイバコフの入口はとっつきの右だったけれども、クワルティーラ五八というのは、その建物の内庭に面して並んでいる四つの入口の、左はじから二番目に入口があった。
相かわらず人気のない内庭から四階までのぼって、五八のドアの呼鈴をならした。スカートのうしろまで鼠色麻の大前掛をかけた、太った年よりの女が出て来た。伸子が用向きを告げると、小柄な伸子の上から下まで一瞥しながら、
「おまち下さい」
と、奥へ入って行った。入れちがいに、大柄の、耳飾りをつけた年ごろのはっきりわからない中年の女が出て来た。この女も、こんにちは、と云いながら一目で伸子の上から下までを見た。それが主婦であった。
ここで貸そうとしている部屋は、ルイバコフで借りていた浅い箱のような室を、丁度たてにして置いたような細長い部屋だった。フラム・フリスタ・スパシーチェリヤの金の円屋根はその窓からは見えず、したがって街の物音の反響もすくなかった。
「この室には、別入口がついているんですよ」
ぱさぱさした褐色の髪や皮膚の色にエメラルドの耳飾りがきわだつ顔を奥のドアへ向けながら主婦が伸子に説明した。