후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
伸子はベッドの中から惜しがって、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)にいるうちだわ、おやりなさいよ、とはげました。きっともうじき歩けてよ、いまやめちゃ、一生やらなくなっちゃうってことだもの。しかし素子は、わたしは駄目だよと伸子の激励をこばんだ。わたしは駄目さ。体をこわばらしちまうんだから。――伸子はそれ以上すすめることをやめた。素子自身に不可抗な、そういうことは素子の性格的な一つのあらわれであることを伸子は理解したから。
七月一日マルセーユ着という多計代からの電報をうけとってから、日に一度伸子の病室へ来る素子の来かたもおのずから内容がかわった。病人である伸子の気分もかわって、二人はこれまでのようにミカンをたべながらのんびりしているというような時間がなくなった。伸子と素子とは長椅子へ並んでかけた膝の上にヨーロッパ地図をひろげて手帳のうしろについているカレンダーを見くらべながら、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)からパリまでの道順を相談した。ウィーンとかベルリンとかいう都会にどのくらいずつの日数を滞在するかという予定をたてた。素子はそれとなしに河井夫人に相談して、二人の最少限の服装はでずいらずのウィーンでととのえるのがよかろうということになった。