후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
伸子はほんとうにそう感じるのだった。彼女の見とおしをもった生きかたの単純さ。よろこびの曇りなさ。このナターシャが赤坊をもった姿を想像し、そのかたわらにバリトーンの歌手である彼女の若い夫を居させると、そこに若いというばかりでなくまるで新しい内容での家族というものの肖像が思われた。目的のわからない熱烈さと、とりとめなく錯雑した感情のくるめきに支配されつつ日が日に重ねられてゆく動坂の家族生活と、それとをくらべるとなんというちがいかただろう。ナターシャの新鮮なトマトの実のような「家族」をおもうと、伸子は、動坂の家族生活からうける複雑で、手のつけようのないごたごたした物思いから慰められた。保がああして死んだとき、遂に保を生かさなかった環境とし、自分をも息づまらせる環境とし、伸子は動坂のうちの生活と自分の生きかたとの間に、もう決して埋められることのない距離を感じた。そして、ソヴェト社会に向いてくっささった自分を感じ、その感じにつかまって生活して来た。伸子の心の中にわれめをつくっているその精神の距たりや動坂のくらしに対する否定の感情はそのままでありながら、娘としてことわりきれないいきさつや肉親として思いやらずにいられない事情が一方に追っかけて来て、伸子はこの間までの苦労なさから掻きおこされてしまった。