후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
ウィーンで伸子と素子とは、これから先の旅行のためにいくらか身なりをととのえる必要があった。素子はここでそういう用をはたすひまに、ちょっとした身のまわり品を入れる気のきいたカバンと、婦人用のシガレット・ケースを買おうとしている。気に入った品があったにしても素子は、決して、はじめてそれを見つけた店で買ってしまわなかった。ホテルを出てウィーンの街を歩くにつれ、目につく鞣細工品の店のあれからこれへと丹念に飾窓を見くらべた。そのあげくきょうは、伸子たちの服をこしらえている服飾店のある大通りから一つ曲った横通りで目ぼしをつけておいた一軒の店でその買物をしようというのだった。
伸子は、素子とならんで賑やかな目抜通りを歩いていた。その辺の店ではどこでも英語が通じた。それはウィーンへはこの頃アメリカの客がふえていることを物語っている。伸子は沈んだ顔つきで午前十一時のウィーンの街を歩いていた。何を売るのか二本の角を金色に塗られた白い山羊が、頸につられた赤い鈴をこまかく鳴らしながら、クリーム色に塗られた小さな箱車をひいて通ってゆく。トラックが通り、そうかと思うと蹄の大きい二頭の馬にひかれた荷車が通ってゆく。