후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
ベデカ(有名な旅行案内書)一冊もっていず、金ももっていない伸子と素子とは、オペラや演劇シーズンの過ぎた五月のウィーンの市じゅうをきままに歩いて、いくつかの美術館を観た。リヒテンシュタイン美術館でルーベンスの「毛皮をまとえる女」を見ただけでも、伸子としては忘られない感銘だった。そこには、ベラスケスの白と桃色と灰色と黒との見事に古びた王女像もあった。
モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)を出発して来てから十日ばかりたって、伸子ももうウィーンでは下宿の食事に出るパンの白さに目を見はらなくなった。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)からの冬仕度はすっかりぬぎすてられ、明るい大通りの雑踏に交って、思いがけない角度からちらりと店さきの鏡やショウ・ウィンドウのガラスに映る伸子のなりはウィーンごのみの、渋くて女らしい薄毛織格子の揃いの服と春外套になった。素子のスーツも春らしく柔かなライラックめいた色合いだった。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の生活の習慣で、夜の服がいるなどと思いそめなかった伸子と素子とは、一組二組新調した服装にたんのうして、きのうもきょうも一つなりなのを気にもせず黒川隆三と郊外のシェーンブルンを見物に行ったり、公使夫妻の自動車にのせられて市外にある中央墓地で、ヨーロッパの音楽史