후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
演奏者たちも、せまい講堂に立錐のよちのなくつまった聴衆も、日本ではじめて演奏される第九シムフォニーということで緊張が場内にみなぎった。第一楽章が、入れ混ったつよい音の林のように伸子たちの頭の上をふきすぎ、短いアントラクトがあって、第二楽章に入ろうとする間際だった。ヴァイオリンを左脇にかかえ、弓をもった右手を膝の上に休ませてくつろいだ姿勢で聴衆席を眺めていた第一ヴァイオリンのトップの伊藤香女史が、何を見つけたのか急にうれしそうな笑顔をくずして、いくたびもつよく束髪の頭でうなずきながら、弓をもった右手を軽くあげた。数百の聴衆は、何ごとかと伊藤女史が頭で挨拶している方角をさがした。谷底のような伸子の場所からは何も見えなかった。が、じきジンバリストだ、ジンバリストが来ている、という囁きが満場につたわった。すると、どこにそのジンバリストがいるのかわからないなりに熱心な拍手がおこって、伸子も、どこ? 見えないわね、と云いながら誰にも劣らず拍手した。ジンバリスト自身は演奏中に思いがけずおこった歓迎を遠慮するらしくて何の応答もなかった。かえって静粛を求めるシッシッという声がどこからかきこえた。