후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
つや子のいまの後姿が、パリへ来てまで、家庭のごたつきに浮きつ沈みつ、その場その場の不和や和解で暮している佐々のうちの気分を、まざまざと反映している。伸子はその場の情景の上に字で書きしるされているように、それを感じるのだった。一家でパリへ来て、アパルトマンをかりて、通いの手つだいをつかって暮している。それだけの条件から云えば、それは国際的な中流の上の生活様式だった。けれども、生活気分は、何と、フランスのいわゆる中流家庭の生活感情とちがうだろう。フランスの中流人たちは、社交というものが中流階級の存在のための動脈、共通な利害の結びめであると理解して、伝統的に神経をくばるように鍛えられている。パリの中流層の人たちが、機会をのがさぬ愛嬌と機敏な打算とでブルジョア社会のより太い脈管へ、よりつよい綱へと一家をつなぐために緊張しているのにくらべると、パリでの泰造と多計代、特に多計代の生活気分はレジオン・ド・ノールをつけたどこかの酋長の妻のようにおおまかで、夫婦は、どちらも、佐々第二世である若い和一郎夫妻を、パリで開かれている自分たちの交際圏へ引き合わせ、何かと一家の将来のために計っておくというようなせせこましいことはしなかった。