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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
泊の山上一帯は、これを迎えるに、どよめき立って、歓呼をあげ、さらに当夜、また、翌日へかけての、慰労の宴など、お祭り気分に染まったのもまたいうまでもない。
柴進のからだも日ごとに元の健康に復し、総統の晁蓋以下は、あらためて、彼にこの累難をかけた罪をふかく謝した。しかし、こうなったのもまた天意によるかと、柴進はあえて咎めず、かえって一同の義気を謝し、一同に請われるがまま、大寨の見晴らしのいい所へ建てられた一邸にそれからは住むこととなった。げにも浮雲の人生、人事測り知れないものがある。
禁軍の秘密兵団、連環馬陣となること
ここは開封東京の首都、城の九重。
かつての殿帥府ノ大尉(近衛ノ大将)高は、さらに人臣の位階を極めていまでは大宋国総理の地位にあった。――もとはこれ市井の間漢、一介の鞠使い高の出世したものである。人事測り難い一証はここにもあった。
景陽宮の深殿は、ここ燿く祗候ノ間だった。出御の金鈴がつたわると、ほどなく声蹕の鞭を告げること三たび、珠簾サラサラと捲き上がって、
「高※(「にんべん+求」、第4水準2-1-50)。何事の急奏なるか」
と、そこの玉座から微妙道君風流皇帝、宋朝八代の天子徽宗のまろいお声であった。