轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
「鼠か。つまらん。……ところで飯はまだか」
「外はお寒うございますから、召使たちも、何か温い物を差上げようと、気をつかっているのでございましょう」
「天子さまのお狩猟で、今朝は暗いうちに宮門をお出ましだ。そんなことはいっておれん。早くしてくれ」
「でもまだ、お早過ぎるくらいお早いのに」
「ま、ひと口、酒でもくれ。それそこの瑠璃杯でいい。――これも先ごろの御狩猟で天子から拝領の物だ。――現徽宗皇帝陛下は、絵ばかり描いておられて、とんと軍事には御心をかたむけられぬ。それだから梁山泊のごとき世を怖れぬ大盗の巣窟も出来たりすると、高大臣のおすすめでな、このごろは朔風の野に御弓も持たれるようになってきたわけ。われら供奉の武官もいちばいここは励まなければ相成らん」
とかくするうちに、例のこの家の黒門の方で、がやがやと人声がする。班の従兵たちが迎えに来たのらしい。屋敷の召使はそれらの者にも酒飯を与えて待たせておく。こなた二階の一室では、徐寧が早や供奉の盛装を着にかかっていて。
「奥方。留守中は屋敷廻りを気をつけろよ」
「ご心配なさいますな。わけて班のご門内ではありませんか」