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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

第二には、北京軍をくりだして、一応、城外遠くの要路を塞ぐこと。――これが手おくれとなりますと、お手持の軍は失い、朝廷からは譴責をうけ、人民は足もとから騒ぎだすなど、収拾もつきますまい」

「む。余も同感だ。さっそく、大牢の番役人、蔡福、蔡慶にも、申しふくめろ」

そしてまた、即日。

北京府の兵馬総指揮官――大刀聞達と天王李成という正副の二将軍――が城外百余里の地、飛虎峪とよぶ山、また槐樹坡とよぶ街道の嶮に、布陣すべく、大兵で出勢して行った。

これがすでに、秋も半ば過ぎ――

梁山泊では、さきに神行太保の戴宗を走らせて、雲の上から伝単を撒き散らさせた直後において、北京出勢のしたくはしていた。

それも、こんどは、かんたんでないと見た用意のもとに、充分な馬匹兵糧を携行し、人数もまた、梁山泊全員を二つに割って、全兵力の半分を出動させた。

宋江の下に、軍師呉用。

ほか、歴戦の猛者が、幾十隊の部将となってくりだしたが、中には紅一点の女頭領、一丈青の扈三娘も、こんどは一軍をひきいて行った。

朱地に「女将軍一丈青」と金繍した軍旗は、やがて敵のあらぎもをひしいだ。

槐樹坡のたたかい。