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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

仔細はこのお召状の内にありますからご一見の上で」

関勝はそれを読んで感激にふるえた。思文に相談すると、これもまた否やはない。――俄に、家族を呼び、家事のあとを託して、三名はその日のうちに東京へ急いだ。

まず官邸に入る。

蔡閣下との対面は、例の白虎節堂だった。ただし、関勝ひとりだけの謁見で、階の下に、拝を執る。――蔡京がつらつら見るに、なるほどすばらしい偉丈夫だ。身ノ丈八尺余、美しく、まなこは鳳眼――。気に入った。

「関警部長。お年は幾つだの?」

「三十二に相成ります」

「兵学、武芸、すこぶる素養に富むと聞くが、どうして田舎警部などで満足していたのか」

「いや蛟龍も、時に会わねば、いたしかたございません」

「その“時”を汝に与えよう。梁山泊の暴徒が、先頃から北京府の城をかこんで、良民を苦しめておる。その害をのぞく自信があるか」

「なきにしもあらず、です。水滸の賊が、われから、本拠の泊巣を離れて遠く出たのこそ運の尽き。――北京の難を、直接、救わんとすれば大きな犠牲を要しますが、彼らの留守を襲って、先に、梁山泊を陥してしまえば、元々、烏合の衆、あとは苦もなき掃討でかたづきましょう」