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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
そこで、城外の大練武場で、一日、北京総軍の大演習が行われるときを待って、楊志の武技を試し、もし彼に抜群の業があったら、それを称えて、大いに登用してやろうと考えた。
頃は、春めき始めた二月の頃。
大演武場は、北京三軍の旗と兵馬で埋まった。時刻となれば、貝が鳴り、鉦鼓がとどろき、軍楽隊の演奏とともに、梁中書は副官その他、大勢の軍兵をしたがえて、式場へ臨んだ。
厳かな閲兵の後、李天王李成、聞大刀聞達、二将の号令のもとに、全軍、中書台に向って、最敬礼をささげ、また、三たびの諸声を、天地にとどろかせた。
たちまち、全軍は二陣にわかれ、紅旗、白旗が打ち振られる。鼓を合図に、両軍それぞれの大兵が、鶴翼、鳥雲、水流、車輪、陰陽三十六変の陣形さまざまに描いてみせ、最後にはわあああっ……と双方起って乱軍となり、そこかしこで、凄まじい一騎討の競武が展開された。
中でも、紅軍の副牌(部将)周謹の働きは目ざましく、彼の槍の前に立ちうる者はなかった。
「周謹。日ごろの猛練習も思われて、今日の働き、見事だったぞ」
梁中書は、輝くばかりな銀色の椅子から、彼を賞めて、また言った。
「ところで、もと東京の殿司制使楊志が、流されて一兵卒に落され、今日も余の供として後に来ておる。