轻松读懂日语经典作品
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
「布施は何がお望みなのか」
「またいうか。物乞いじゃおざらん」
「では、なんでお動きなさらぬ」
「あるじの晁氏に会いたいのみ」
「その晁蓋は、じぶんだが」
「や。あなたか」
「用を聞こう。手ッとり早く」
「ここでは申せぬ。折入ッての儀だ。どこぞ二人だけで話したい」
「じゃあ、こっちへおいでなさい。一樹の縁だ、茶でも上げよう」
軽い気もちで、門内へ入れたのである。といっても、奥の客間ではない。間に合せの小部屋だったのはもちろんだ。
通されて椅子によると、さすが礼儀はただしく道士はすぐみずから名のった。
「お騒がせして申しわけないが、拙者は公孫勝、道号を一清と呼ばるる者。生れは薊州の産です。申してはお笑いぐさかもしれんが、幼少より武芸が好きで、あちこちの道場歩きなどで多少名を鳴らしたため、公孫勝ノ太郎とか、入雲龍ノ太郎などと少しは恐れられたものです。――かつまた、いささか方術(道教の法術)に通じ、自在に風雨を呼び、隠遁飛雲の法も行うが、それも決して広言ではありませぬ。――ところで」
と、公孫勝の一清は、その羊ヒゲを掌のひらで何度も逆さに撫でつついう。にんまりと人を射てくる眼ざしには、なるほど方術師らしい底冷たい眼光があった。