轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
「張さん、なにしてんのさ。こっちよ、こっちよ。屋根からお隣の塀を伝わってさ。だけど、向う見ずに跳び降りると溝があるわよ。いいこと。二、三日うちにまた来てね」
男の尻を押し出して、あとの窓を閉め終ると、彼女はもう何食わぬ姿態だった。しぶしぶ蘭燈に明りを入れ、そしてお化粧台から階下を覗いて舌打ちした。
「チっ……。うるさいわね、おっ母さんたら。なにさ、天帝様のお出ででもあるまいし」
閻婆はあたふた上がって来て、
「しっ、静かにおしよ。たんと楽しんだ後じゃないか。少しぐらいな勤めは、商売だとお思いよ」
「いやですよウだ。おっ母さんだって、若い頃には覚えがあるでしょ。なンともかンとも、あたしゃあ、あの虫蝕い棗みたいな押司さんの顔を見ると、胸がムカムカしてきて、義理にもお世辞がいえないんですもの」
「そんなこといったっておまえ、母子こうして、贅沢に暮していられるのは、なンたって、あの人のお蔭だものね。足を途絶えさせちゃったら、こっちの頤も干あがるだろうじゃないか」
「ああ、辛気くさい。来たくないっていうものを、なにもむりやりに連れて来なくってもいいじゃないの」
「そうはいかないッてばさ。