轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

「……ああわかった。目玉に油を塗られたトンボみたいに、あの黒二(宋江のあだ名の一つ)が、きりきり舞いして出て行ったから、腹立ちまぎれに忘れたんだわ。……いいわねえこれ。そうだ張三にやって、よろこばしてやろう」

持って寝て、寝ながら愉しげに蘭燈の明りで中を調べ初めたものである。見ると、鸞帯の中には、かの短刀、かの十両、さらに書類袋のうちからは、梁山泊の晁蓋から彼に宛てた書面まで現われてきた。

まだ封も開いてないそれを、女は小指の爪で器用に剥がしていった。――梁山泊がどんなところかは、三ツ児でも知っている。去年はこの土地で大捕物の騒動もあったほどだ。彼女は、息をつめて、繰り返し繰り返し読んでいた。……ところへ、みし、みしと、忍びやかに上がって来る足音だった。彼女はあわててそれらの物を鸞帯(胴巻)へおしこみ、腹の下に抱いて、そら寝入りをつかっていた。もちろん、その足音は、宋江だった。悄然として、しかも下タ手に、

「……おや、見えないが。……ああわかった、婆惜、おまえが仕舞っておいてくれたのか」

「だれ? うるさいわね、また」

「ちょっと、起きてくれないか。忘れ物をしたのだ。