轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

物音を知ると金蓮はすぐ門口へ走り出て良人を見るなり泣いて見せた。武大はのそのそ物置小屋へ商売道具を入れて戻るとすぐ訊ねた。

「どうしたのよ金蓮。何か、弟と口喧嘩でもしたんじゃないか」

「そうよ。あんたが余り弟を大事にし過ぎるからさ。今日みたいに口惜しいことってありゃしない」

「よせよ。あいつも口は悪いが、腹ん中はいいもんだぜ。いい弟なんだよ」

「へえ、いい弟が嫂にへんな真似をするかしら。ほんとに馬鹿にしてるわ」

「なにしたのさ、武二が」

「いえませんわよ、そんな恥かしいこと。ごらんなさいな、わたしのこの髪を。ちょうど、あんたが帰ってきたんで、猥な真似もされずにすんだからいいけれど」

武大もそれには動揺したらしい。ちょっと暗い顔したが、すぐ笑った。兵営祭りだ。飲んで帰った酒の上から、つい冗談でもいったのだろう。弟の酒好きはわかっている。

「金蓮。武二は部屋かい」

「およしなさいよ。ふて寝しているらしいから」

「じゃあ、そっとしておくか。……明日になったらきっと頭を掻いてあやまるよ。おまえもいつまで、つンつンしているのはおよし。なあ、せっかく一つ屋根におさまった兄弟だ。