轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

――李逵は怒りに燃えた。――畜生っ、畜生っ、おれのおふくろをあんな啖ってしまやがった! ――。一躍、彼は野太刀の下に、その一匹を叩き斬り、次の一匹を、洞穴の奥まで追いつめて突き刺した。しかし、そこで怨みは癒えもしない。彼は慟哭し、なお、おふくろを呼びつつ、もがき泣いていた。

――と、洞穴の外で異様な唸り声がした。わが棲家のうちの怪しき気ぶりに鏡のような眼を研ぎすまして帰って来た小虎の親の牝だった。

「うぬ、おらのおっかあを、初めに、餌食の爪にかけたのは、この牝親だな」

李逵が息をつめていると、やがてのこと、牝は要心ぶかく、まずその尻ッ尾で洞壁を一ト払いしてから、徐々と後ろさがりに、奥へ躄りこんできた。――脇差を抜き、狙いすましていた彼の一閃はとたんに、大虎の肛門をグサと鍔元まで突き刺していた。せつな、ウオオッという吼え声とともに、牝の巨体は、その臓腑の中に短刀を入れたまま、ころげ出て草原をまろび、彼方の林へザッと躍り込んだ。それを逃がさじと、李逵は追ッかけ、林の全体も揺りうごくかと思われた。するとその時、

「あっ、べつな虎だ。また一匹出て来たぞ」

李逵は身を反らした。