轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
山東の一角に、地名登州とよぶ海浜の村がある。
海に近いくせに、いやなものが名物だった。州城外の山には、虎、豹、狼などの猛獣が多く、年じゅう人畜の被害が一ト通りでない。
ところで。近日この地方を諸国巡閲の大官が通るという沙汰がある。登州奉行はそのために、令を発して、
「期限付き、虎退治の指令を、村々の百姓猟人へいい渡せ」
と、土地の庄屋や村役場へ厳達してきた。
ここに、兄を解珍、弟を解宝という猟師がいた。父もなければ母もない兄弟暮らし。
解珍はあだ名を両頭蛇といい、解宝は双尾蝎とよばれている。いずれも名のごとき七尺ゆたかな壮漢であり、州中の猟師らは、
「解氏の二雄士」
といって、おそれたてまつっているほどだ。わけて弟のほうは、その太股に飛天夜叉の刺青を持ち、嶺を駆ければ、鹿狼は影をひそめ、鳥も恐れ落ちなんばかりな風があった。
「兄貴、行って来たよ、村役場へ」
「日限りの厳達書か」
「しようがねえやな。お上のいいつけじゃあ」
「どうだっていうんだ、一体その文句は」
「日限までに獲物を出せとよ。日限すぎたら受付けねえってんだ。罰として、しばり首にするとさ。……だが、いい獲物には、褒美を取らす。