轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しきぶこうじ
式部小路
泉 鏡花
「大阪毎日新聞」1906(明治39)年1月1日~1月27日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 74,847 字 · 149 页
ハッと除けようとなさる。お顔の処へ、もう大きな鼻頭がぬッと出て、ぬらぬら小鼻が動いたんだっておっしゃるんだよ。
除けるも退くもありゃしません。
牛頭馬頭にひッぱたかれて、針の山に追い上げられるように、土手へ縋って倒れたなりに上ろうとなさると、下草のちょろちょろ水の、溝へ片足お落しなすった、荷があるから堪らないよ。横倒れに、石へお髪の乱れたのに、泥ばねを、お顔へ刎ねて、三寸と間のない処を、大きな鉄の車の輪。
天へでも上るようにぐるぐるとまわって通りしなに、
(馬鹿め!)
ッて、どこの馬丁も威張るもんだけれど、憎らしいじゃありませんか。危い、とでもおっしゃることか、どこのか華族様でもあろうけれども、乗ってた御夫婦も心なし。
殿様は山高帽、郵便函を押し出したように、見返りもなさらない。らっこの襟巻の中から、長い尖った顔を出して、奥様がニヤリと笑っておいでのが、仰向けながらね、屹とお開きなすったお嬢さんの目に、熟と留ったとおっしゃるんですよ。」
「チョッ、何たらこッてえ、せめて軍鶏でも居りゃ、そんな時ゃあ阿魔の咽喉笛を突つくのに、」
と落胆したようにいったが、これは女房には分らなかった――蔵人のことである。