轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
「なるほど。評判だけなものはある」
雷横もふと、目を拭われた心地であった。ひとしく満場の観客も、万雷のような拍手を一せいに送る。するとこのとき、待ッてましたというように、尖ンがり靴の白玉喬は、秀英のそばへ来て、お約束の肩を一つぽんと叩いた。
「おっと、太夫。何か忘れてやしないかね」
「あらひどい。わたしの踊りが何か間違ってたというの」
「なにサ。都一の花の太夫。天女が雲から落ちることはあっても、太夫さんの芸にソツがあるものか。お忘れ物というのはね」
「あ。あのこと」
「芸に無我夢中なのは結構だがさ、稀にはお客さまの顔いろも見て、お心もちを汲んで上げなければいけないやね。いまのご喝采の中には、祝儀をやれ! 祝儀の盆を廻せ! ッてなありがたいお声もあったじゃござんせんか。次の芸題にかかる前に、どうですえ、ここらで一つお志をいただいては」
「ま。うれしいわね」
「では、御意にあまえて!」
と、白玉喬は片手を腰に、また、片方の尖ンがり靴をぴょんと前へ投げ出し、手にしていた薄手な盆を翳すなり見物席を眺め渡して、
「いやお待ちかねお待ちかね。さすがご当地のお客様は品がちがう。