轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
――「ご存知ないか?」その迂愚を嘲ったのである。
すると直閣はかえって威猛高となり、ではそれを見せろと迫った。ここにはない、と答えると、いきなり皇城を足蹴にし、「われらは、現朝廷に並びなき高閣下の一族だぞ。そんな偽系図に驚くような田舎者と同一視されてたまるか」と、なおも左右の取巻きと一しょになって蹴るやら撲るやらさんざんな侮辱を加えて立ち去った。
皇城の死は、これが因だった。どっとその夜から病床につき、大熱のあいだにも「くちおしい、ざんねんだ、無念だ!」といいつづけ、さいごの息をひくときには「――甥の柴進に告げて、この恨みをはらしてくれ!」とくり返し言い遺して逝ったという。
柴進は一ぶ一什を聞いて腸をかきむしられた。が、取り乱しているときでない。
「いやどうも、お互い、何といっていいか悲嘆のことばもありません」
と、未亡人以下、親族一同へむかって。
「この上は、てまえの滄州の家にある伝来の丹書鉄券をとりよせ、他日、都へのぼって、宋朝の天子へ直々に訴え出ましょう。……朝廷歴代の文書庫には、祖先柴世祖から宋の太祖へ世を譲ッた――『陳橋ノ譲位』――の写シ文もかならず収めてあるはずですから、明判たちどころに、殷直閣の暴を懲らし、おかみも叔父皇城の霊を悼んでくださるにちがいありません」