轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
「じいさんよ。えれえ目にあっちまったよ。船の上で、毒を噛まされ、路銀持ち物、みんな巻き上げられてこの裸さ」
「おまえさんは、山東のお人らしいが」
「ことばつきで分るのかね。元は、この地方の生れなんだが」
「山東から生れ故郷へ帰って来なすったというわけかの」
「ま。そんなわけだが、じつは建康府に、安道全ていう、はれもの医者がいるだろう。……あの先生をお迎えに来たんだよ」
「へえ、どちらから」
「だからよ、山東からだ」
「あっ、そうですかい」と、酒屋のじいさんは、独りで、なにか呑み込み顔して「――そうですかい、それでわかりました。はい」
「何がよ、じいさん」
「おかくしなさるには及びません。あなたは浪裏白跳の張順さんでございましょう」
「げっ。どうして分る?」
「梁山泊へ突ッ走りなすったと、一ト頃はもうえらい評判。それにまた、この寒中、揚子江を泳ぎ渡って来るなんてえお人は、そうザラにあるものじゃございませぬ」
「隠すまい。その通りだ。じつは山寨の大親分さま宋公明というお方が、癰をおわずらいなすッたんで、はれもの医者の安道全を迎えに来たのよ。ところが、船強盗にうッかり嵌められ、路銀から医者に渡すかねまですっかり奪られてしまい、いや、俺としたことが、途方に暮れているところなのさ」