轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
すべてその才徳は大器というもの。あなたを措いて誰がここの上座にすわる者がありましょうか」
「ああ、迷惑です。ご過賞に過ぎる」
「いや、ここの者どもも、生涯このままではいられません。いずれ時あればおかみに帰順して、世に功業を捧げねばならぬ。罪ほろぼしの善を地に植え、時により官爵を帯ぶる身となるやも知れぬ。だが私はすでに分にあらずとかたく腹はきめているのです。どうか山寨一同の願いを入れて、いまはおききとどけ下されたい」
しかし、盧はついに、椅子を降りて、身を下に置いてしまった。
「どのように仰っしゃられても、それだけはお受けできません。死すともできません」
あとは座中、私語騒然と、思い思いな声や囁きになってしまった。
要するに、ほとんどの者の本心は、やはり宋江に主席となっていて貰いたいのだった。軍師呉用からしてそうらしい色に見える。人情、心服、信頼感、そして盧よりも古い一つ釜の飯。どうにも理屈ではなかったのである。
これはいけないと見たか、宋江がここに一案を提出してみなに諮った。
「このうえは、天意に訊いてみようではないか。あくまで盧大員を主座に仰ぐべきか、不肖、どうしても私がよいのか」