轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
「天意。それはまた、どうなさるので」
「ここからひがしに、東昌府、東平府の二城市がある。ゆたかな城街だが、かつてわれらもそこだけは侵したことがない」
「なるほど」
「城戸の民はみな沃土と物産にめぐまれ、官民和楽してよく暮らしていると聞いていたからだった。ところが近年、奉行が変ってからはひどく苛烈な税をとりたて、賄賂悪徳の風が幅をきかして、ために良民は汗に痩せ、無頼のやからと小役人だけが肥え、一般はもってのほかな困窮だという」
「そこで?」
と、呉用は宋江の面を見つめた。
「二府へたいして、銭糧を借りたいと申し込む」
「もちろん先は断りましょうな」
「知れている。だがそれは口実。それを名分にうたって二途二軍勢で同時に二つの城市へ攻めてゆく。つまり一方の首将には盧大人になっていただき、一方の指揮には私があたる。――そしてどちらでも先に相手の府を降伏させた方を梁山泊のあるじとするのだ。この案はどうであろうか」
「さあ、それもよいでしょうが?」
と、呉用は盧俊儀のほうばかり見て、可否をいわない。当の盧俊儀もまた、ひとえにそれは逃げて、うんという気色もなかった。
で、せっかくな一案もお流れに終って、現状そのまま、つい半年余を過ぎてしまったが、晩秋の頃、どうしても、銭糧借款の申し入れをせねばならない状況が再燃していた。