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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
「しかるに、われらは暗黒の世とはいえ、ぜひなくも、いくさの都度にはたくさんな人をころしています。その罪業は怖れねばなりません。で、ここらでひとつ、敵味方のわかちなく、戦没した者、横死した者、水火の難に厄死した者、無数の霊をとむらうために、羅天大を、とりおこない、あわせて、兄弟分諸君の義魂と正義のいよいよ磨かれんことをいのり、また二つには、朝廷におかせられて、よく今日の政治の濁悪に目ざめられ、われらの罪をゆるして、このわれらをして、天下鍛ち直しの大善業に向けしめ給わるよう。思いを下天に凝らし、誓いを上天にささげ、七日七夜、つつしんで祈りの行に服したいと思うのですがどうでしょうか」
「おう」
みな太いためいきの下に賛同した。
「なんで異存がありましょう。大追善です。大供養です。やりましょう」
しかし、越年もすぐまぢかにひかえていた。で、年明けから、春の四月までにそれは準備された。すなわち、その月の十五日から、七日七夜の長きへかけて――。
一切の司祭は、道教において一位に次ぐ道位をもっている一清道人の公孫勝がつとめた。忠義堂の前には四ながれの旛がつるされ、堂上には三層の星辰台がみえ、三聖の神像をなかに、二十八宿、十二宮辰の星官たちの像も二列にならんでまつられている。