轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
しかも、本心はいずれも、晁蓋の逃走を無事なれ、と祈っていたのだから、しょせん捕まるはずもない。
半夜を過ぎると、腹は減るしで、捕手も誰もクタクタになってしまった。雷横と朱同は、期せずして、あたりへ聞えよがしに、こう嘆じた。
「なンてえ素迅ッこい奴らだろう。神出鬼没たあ、奴らのことか」
「しかも、今夜にかぎって、漆壺のような闇夜ときている。あきらめようじゃねえか。人為は尽したぜ」
この報告には、偵察長も落胆した。もっとげッそりしたのは何濤である。済州から着いたばかりの手下を連れて、手配は万全としていたのだが、なにしろ地の理は不案内だし、雷横や朱同の組と一つになるわけにもゆかず、つまり二ノ陣の恰好でいたのである。
「ちぇッ。なんてえ不手際なざまだろう。それよりもこの何濤、どのつら下げて、済州奉行所へ帰れようか」
さらにはまた、その夜、県城の知事室でも、公務に熱心な知事文彬が、服も觧くなく、一夜中その報告のいたるのを待っていた。
「ぜひもない!」
痛嘆はしたが、しかし知事文彬は、法を疑わず、法の下の部下を疑ってみることなどもない。
「惜しくも、晁蓋は逃がしたとあるが、荘院の食客、壮丁、雇人は多いはず。