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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

賓客の礼をとって、歓迎の楽を奏したものか。

さらに、二つの江の口を過ぎると、やがて金沙灘の岸には、幾旒もの旗と人列が見えた。頭領の王倫以下、寨中の群星が、関を出て、立ち迎えていたものだった。

七名、船を出て、粛とした沙上へ進む。

晁蓋の礼をうけて、王倫が大容に言った。

「あなたが、世間で名高い托塔天王の晁蓋どのか。ほかの方々の尊名も、昨夜書中でみな伺った。いずれも名だたるお人々、いや山寨にとってもこんな光栄なことはない」

「どう仕りまして。そう仰っしゃられてはかえって身が縮む。てまえは名主あがりの無学者。ほか一同も、今は天下に身のおき場なき巷の落人。ただただご仁義の下におすがり申すばかりです」

「ま、ここではご挨拶も。……ともあれ、山の本郭までお越しなすッて」

と、王倫は先に立った。

閣に閣を重ねた梁山泊のいわば本丸。そこを“聚議庁”とよんでいる。

庁堂の一段たかいところに、王倫以下のものは左列を作して居流れ、晁蓋たちは右側に並んだ。寨中の小頭目たちは、ことごとく階下だった。

ここで順次、正式の名のりがおこなわれ、鼓楽、歓迎の祝辞などあって、

「お疲れでしょう。