轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
だが、そう交わされれば交わされるほど、
「……もう、ほんとに。わたし、どうかしちまいそうだわ」
ひとり焦々、髪の根をかんざしで掻く金蓮の思いは、無性に募るばかりだった。
時しもその日は、朝からの大雪。――金蓮が積もる思いをはらすのは今日だとしていた。
良人の武大は、今日も、饅頭売りに出してやったし、帰りも晩いように、わざと二つ三つの用事まで背負わせてやってある。彼女は午過ぎると、隣家の王の婆さんに手伝わせて、こってりとした汁、焼肉、羹料理など拵えておき、さて武松の部屋も火気で火照るばかり温めておいて。
「ああ……よく降ること。なんて静かな雪の昼だろう。まるで真夜半みたい」
と、武松の帰りを待ちぬいていた。
その日は兵営祭りで、武松も半日帰りと知っていたからだった。繽紛と舞う雪のなかを、彼はやがて、赤い顔して帰って来た。――そしてこんな日のこと、さだめし兄も饅頭売りはお休みだろうと思っていたらしく、
「兄さん、えらい大雪だ。みやげの折詰を提げて来たぜ。一杯飲ろうや」
芦簾の雪を払って、家へ入って来るなりそう呼んだ。ところが兄は見えず、出て来たのは、いつもの深情けな嫂の金蓮だけ。