轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
膏薬売りは感激にふるえ、宋江の風態を見まもることしばしだったが、やおらほかの見物へ向って、つら当てのように謡っていた。
おぞや、むかしの鄭元和
青楼のむだがね、むだづかい
つかいばえする生きがねは
はらもなければ、つかえない
「なんとお立会い、人は見かけによらぬもの。首かせかけたお人から、こんな芳志がこぼれるとは、世の中まだ、見捨てたもンじゃござんせんなあ。……いやどうも、かたじけない、もしおさしつかえなければ、ご尊名でも」
「いや、ほんの出来心、お礼などにはおよびませんよ」
宋江はそういって、衆人の視線から顔をそらした。すると誰やらその背をどんと小突いた者がある。
驚いてふりむくと、図抜けて大きな若者だった。血相をなして、若者はまた、一方の膏薬売りへも、こう吼えていた。
「やいっ、どこの馬の骨かしらねえが、この掲陽鎮へ来て、よくも無断で洒落くせえヘボ武芸を囮に、大道かせぎをしやがったな。――それにまた、そっちの首カセめ、なんだってこんな野郎に、かねびらを切りやがるんだ」
「これは……」と宋江は苦笑した。「私が、私のかねをやったまでですが」
「知れてらいッ。それがおせッかいというもんだ。