轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

しかるに坊主はどうか。

その肉体はやはり父情母血によって作られたもの。諸人とちっとも変ってはいない。そのうえ、身にきんらんを着、施主檀家のふところで三度のお斎に飢えは知らず、坐する椅子は高く、人に施すところは至って低い。住む伽藍は殿堂をしのぎ、密房の時間はあり余る。自然、あたまのうちには念々、門外の娘、参詣の人妻、あれやこれの女、女、女、女ばかりの妄想がその有閑な肉体に住む。しかもほかに消耗のない体なので、それの沸るや、女肉へ没するや、さだめし精力絶倫だろうという一般的な見方がなされやすいもぜひがない。

というわけで、石秀が男女を見る目もちがっていた。そしてまた、義兄の楊雄の身にもならずにいられない。業腹が煮えてくる。面罵してやりたくなる。

「こいつはあぶねえ。おれの性分がむらむらと出て来そうだ。といって、現場をつかんだわけではなし……」

このとき、はや衆僧は、如海に引率されて、奥の法要の道場へ乗込んでいた。香煙るると磬を合図に礼拝する。そして壇には「王押司霊位」の位牌があかりにまたたいているが、この法要を何と見るやら受けるやら、と石秀は末座で見ていながら滑稽でたまらない。