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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

「え、機会とは」

「かならず陥ちる」

「独龍岡が」

「そうです。仔細をいわねば、そうかと、おうなずきもあるまいが」

「いったい、それはどういうわけで」

「山寨に残っている石勇をご存知であろう」

「石勇。もちろん、知っています」

「それの縁故の者が、ごく近ごろ、山寨へたよってやって来た。――なんと、その者がまた、祝家の指南番、欒廷玉と仲がよい」

「ほ?」

「かつまた、味方の楊林や※(「登+おおざと」、第3水準1-92-80)飛とも、親交があった間柄とか。……ところで、その者が、ここ祝家荘におけるあなたの苦戦を聞いて、自分からすすんで一つの計略を申し出てきたというわけだ。奇縁、また奇計ではありませんか」

「なるほど、奇妙ではあるが、奇計とはまだ何のことか、わかりませんが」

「ごもっともだ! 順を追って、ひとつ今夜は酒酌みながら、それの吉報をおはなししよう。……当人どもは、すこし遅れ、追ッつけ五日以内にはここへ参るはずですから」

以下、呉用の物語るところであるが、呉用のことばを仮るにはちと長すぎる。項を分けて、しばしその由来ばなしへ舞台を移すことにしよう。

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