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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
吉川英治『三国志(三)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 页
また万一には天子から官爵をくだし賜わるかも知れません。諸州の臣下が上洛した場合の例を見てもそれが考えられます。……するとてまえは、正しく漢朝の恩を着ますし、また漢家の臣であるに相違ありませんから、あなたに対しては故主、旧のご主人といったような気持になるかと思います。――そうなると事ある場合、天子の命に服しても、あなたのお為には働けないかも知れません」
「何かと思えば、そんな先の先までの取越し苦労をしているのか。諸州の雄藩の臣にも、朝廷から官爵をもらっている者はいくらでもあるではないか。まあ、わしにはわしとして、別に考えのあることじゃ。すみやかに都にのぼり、曹操の内幕や、虚実のほどを充分にさぐって来い」
韓嵩はやむなく命をうけて、荊州の物産や数々の珍宝を車馬に積み、数日ののち城下を発して許都へ向った。
彼はさっそく相府の門をおとずれて、多くの土産ものを披露した。
曹操は先ごろ自分の使いとして、禰衡をやってあるところへ変だなとは思ったが、ともかく対面して、好意を謝し、また盛宴をひらいて長途の旅をなぐさめたりなどした。そしてまた如才なく朝廷に奏請して、彼のために侍中零陵の太守という官職を与えて帰した。