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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

吉川英治『三国志(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 页

青空文庫

討つなら今です」

「その荊州に入るには」

「もちろん江夏の黄祖を破るのを前提とします。黄祖は怖るるに足りません。彼もはや老齢で、時務には昏昧し、貨利をむさぼることのみ知って、上下、心から服しておりませぬ」

「兵糧武具の備えはどうか」

「軍備は充実していますが、活用を知らず、法伍の整えなく、これを攻めれば、立ちどころに崩壊するだろうと思います。――君いま、勢いに乗って、江夏、襄陽を衝き、楚関にまで兵をおすすめあれば、やがて、巴蜀を図ることも難しくはございますまい」

「よく申した。まことに金玉の論である。この機を逸してはなるまい」

孫権はすぐ周瑜に向って、兵船の準備をいいつけた。

張昭は、憂えて、

「いま、兵を起し給わば、おそらく国中の虚にのって、乱が生じるでしょう。せめて母公の喪のおすみになるまで、国内の充実にお心を傾けられてはどうですか」と、敢て苦言した。

甘寧は、さえぎって、

「それ故に、国家は今、蕭何の任を、ご辺に附与するのである。乱を憂えられるなら、よく国を守って、後事におつくしあるようねがいたい」

「すでにわが心は決まった。張昭も他事をいうな。一同して、盃を挙げよう」