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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

吉川英治『三国志(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 页

青空文庫

二

お前たちを罰しに来たのじゃない」

「何ぶんにも、県令※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統には、ご着任以来、今日のような場合に限らず、すべて公の事には、見向いたこともありませんので」

「そして、何しておるのだ。毎日……」

「たいがいは、酒ばかり飲んでいらっしゃいます」

「毎日、酒びたりか」

張飛はちょっと、羨ましいような顔したが、すぐ、

「怪しからん」と、云い放ちながら、その足で、県庁の官舎へ押しかけ、

「統はおらんか」と、どなった。

すると奥から衣冠もととのえぬ酔どれが、赤い蟹みたいな顔してよろよろ出てきた。そして、

「わしが※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統だが」と、昼から酒くさい息を吐いて云った。

二

「貴様か。県令の※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統とは」

「ふん。わしだよ」

「何だ。その態は」

「まあ、掛けたまえ。耳の穴へ蜂がはいったようじゃないか。君か、張飛とかいう男は」

※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統は驚かない。

自分の眼光に会ってこんなに驚かない男を張飛はあまり知らない。

「一杯参らんか」

「酒どころではない、おれは家兄玄徳の命をうけて、吏道を正しに来たものだ。