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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

吉川英治『三国志(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 页

青空文庫

文武競春

一

「敵地へ行って、そういう遠謀を巧みに植えつけるような間諜が、さし当って、おるだろうか」

「おります。平原の人で華欽、字を子魚という者。もと曹操に愛せられた男ですが、これを用いれば適役でしょう」

「呼べ。早速」

孫権は、その気になった。

文武競春

一

冀北の強国、袁紹が亡びてから今年九年目、人文すべて革まったが、秋去れば冬、冬去れば春、四季の風物だけは変らなかった。

そして今し、建安十五年の春。

城(河北省)の銅雀台は、足かけ八年にわたる大工事の落成を告げていた。

「祝おう。大いに」

曹操は、許都を発した。

同時に――造営の事も終りぬれば――とあって、諸州の大将、文武の百官も、祝賀の大宴に招かれて、※(「業+おおざと」、第3水準1-92-83)城の春は車駕金鞍に埋められた。

そもそも、この河のながれに臨む楼台を「銅雀台」と名づけたのは、九年前、曹操が北征してここを占領した時、青銅の雀を地下から掘り出したことに由来する。

城から望んで左の閣を玉龍台といい、右の高楼を金鳳台という。

いずれも地上から十余丈の大厦である。そしてその空中には虹のような反り橋を架け、玉龍金鳳を一郭とし、それをめぐる千門万戸も、それぞれ後漢文化の精髄と芸術の粋をこらし、金壁銀砂は目もくらむばかりであり、直欄横檻の珠玉は日に映じて、