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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

吉川英治『三国志(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 页

青空文庫

※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統ハ、鳳凰ノ雛。

孔明ハ、臥セル龍ニ似ル。

――と、その将来を囑目されていたのだった。

荊州滅亡の後、その※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統は、呉の国に漂泊しているとは、かねて孔明も人のうわさに聞いていたが、ここで相見たのは、まことに意外であった。

で、孔明は、船が纜を解くまでの寸間に、一書をしたためて、彼にこう告げて手渡した。

「おそらく、御身の大才は、呉の国では用いられまい。君も一生そう浪人しているつもりでもあるまいから、もし志を得んと思うなら、この書をたずさえて、いつでも荊州へやって来給え。わが主玄徳は寛仁大度、かならず君が補佐して、君の志も、共に達することができよう」

孔明の船は、江をさかのぼって、遠く見えなくなった。

船影が見えなくなるまで、※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統は岸にたたずんでいたが、やがて飄乎として、何処へか立ち去った。

その後、呉では、周瑜の柩をさらに蕪湖(安徽省・蕪湖)へ送った。蕪湖は周瑜の故郷であり、そこの地には故人の嫡子や女などもいるし、多くの郷党もみな嘆き悲しんでいるので、名残りを篤うさせたのであった。