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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
吉川英治『三国志(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 页
ところへ、後陣の韓遂から伝令があって、
「後方に異状が見える」
と、いう急報。
暁早く、馬超は総勢を収めて、陣地へ帰った。その日、情報によると、
「昨夜、渭水の西をわたった大軍は早くもお味方の背後へまわって、陣地の構築を始めています」
掌から水が漏れたように、韓遂は、
「うしろへ廻ったか。……遂にうしろへ?」
駭然とさけんだ。
そこで韓遂は、万事は休すと思ったか、方針一転を馬超に献言した。如かず、これまで斬り取った地を一時曹操に返し、和睦をして、この冬を休戦し、春とともにべつな計をお立てなさい、というのである。戦機を観ること、さすが慧眼だった。
楊秋、侯選などの幕将も、
「もっともなお説」
と、みな馬超を諫めた。
数日の後、楊秋は一書をたずさえて、曹操の陣へ使いした。和睦の申入れである。
曹操は内心、渡りに舟と思ったが、まず使者を返して後、謀将の賈にこれを計った。
賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)はいう。
「明らかに偽降です。が、突き放す策もよくありません。和睦をゆるし、こちらはこちらで、手を打てばよい」
「手を打つとは」
「馬超の強さは、韓遂の戦略があればこそです。