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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
吉川英治『三国志(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 页
と、にこやかに、出迎えの礼をなし、自身、馬の口輪をとって導いた。
張松はあわてて馬を降り、
「あなたは、関羽将軍ではありませんか」と、たずねた。
「さよう。此方は羽です。どうぞお見知りおきを」
「恐縮恐縮。知らぬこととは申せ、つい馬上にて受礼。おゆるし下さい」
「なんの、此方はあなたの出迎えを命ぜられた皇叔の一臣に過ぎません。国賓たるご辺に、さようなご遠慮を抱かせては此方の役目不つつかに相成る。どうか、何なりと御用あれば仰せ下さるように」
館中に入ると、関羽は、客のために、夜もすがらもてなし、その接待は懇切を極めた。
次の日はいよいよ荊州城市へ入った。見ると、城市の門まで、道は塵もとめず掃き清められ、たちまち、彼方から錦幡五色旗をひるがえして、一簇の人馬がすすんで来る。
嚠喨として喇笛が吹奏され、まっ先にくる鞍上の人を見れば、これなん劉玄徳。左右なるは、伏龍孔明、鳳雛統の二重臣と思われた。
張松は驚いて、馬を降り、あわてて路上に拝跪の礼をとろうとすると、すでに玄徳も馬を降りて、その手を取り、
「かねて、大夫のご高名は、雷のごとく承っていましたが、雲山はるかに隔てて、教えを仰ぐこともできなかった。