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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

と、高※(「にんべん+求」、第4水準2-1-50)はみずから迎え、このたびの大役と聖旨をつたえ、

「足下は、人も知る開国の功臣たる将軍の玄孫だ。再び、朝野に名をあげ給え」

と、その夜は公邸で歓待し、翌日、伴って徽宗皇帝に拝謁の儀をとらせた。

呼延灼をごらんあって、徽宗もたいそう頼もしがられた。風貌、物ごし、音声、まさに万夫不当の骨柄である。「よき手柄せよ、勝利のあかつきには、さらに重賞せん」と仰せあって、とりあえず彼への門出祝に、

雪烏騅

と号する秘蔵の名馬を下賜された。

烏騅とは、総身、まるで烏の濡れ羽色していたからで、蹄だけが白かった。馬卒はこれを“雪り烏騅”ともいっていた。

「総理。あなたのご推挙を感謝します。まことに今日は面目をほどこしました」

「なんの。貴公の面目はこれからでなくてはならん。ところで呼延氏、さっそくご発足だろうが、準備として、何か求められるものはないか」

「大いにあります。聞説、敵の梁山泊も昨今では一大強国ほどな兵備もあるよし。討つにはまず士気の上におく大将、次に装備で」

「その将たる器の者のお心当りは」

「目下、陳州練兵場で指揮官をしておる韓滔。