轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

すると、突如、一陣の狂風が吹いて、旗の数も多いのに、わけて泊軍の象徴とする大将旗がその竿首のところからポキと折れてしまい。一同は、はっと顔色をかえた。

「あ、これはいかん、不吉な前兆だ」

軍師呉用も言い、宋江もまた、晁蓋へむかって、切に、今日の出陣を止めた。

「首途に旗が折れるなどは――どう考えても吉兆ではありません。――ひとつ、日を改めては如何なものか」

「はははは」と、晁蓋は気にかける風もない。「こんな例はままありがちなこと。いちいち御幣をかついでいたら、そのたび部下の士気を沮喪させるばかり。お案じあるな」

と、ばかり意気揚々、江を渡って、この日征途に立ってしまった。――がしかし、これはやはり悪い前兆であったとみえる。――晁蓋はこの一戦を買って出たばかりに、曾頭市の市街戦で矢にあたり、約一ヵ月ほど後、あえなき重傷者になって、故山へ送り還されて来た。

曾頭市の守備は思いのほか固く、五虎の兄弟と、二人の兵法者の下に、その兵もまたすこぶる強かった。――為に、晁蓋は苦戦をかさね、あげくに、自身も頸の根に一矢をうけて、無念な姿を、送還されて来たものだった。