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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

私たちはそれに義憤を感じる者です。ここの天星廟にちかいをたてて天に代って道を行なおうとしている者です。関将軍、またご両所、篤と、生きても長からぬ漢の一生をお考えください。いまとはいいません。――それなる呼延灼、黄信、彭、林冲らとも、よくおはなしあってみてください。その上で、わたくしどもにお力をかそうというお心になってくれたら、泊中一同は、よろこんであなた方を迎え、義の友として、今生を共にするに、やぶさかな者ではありません」

関勝は、いつか、その首を深くたれていた。思文と宣賛も、また、沁々と聞いていた。

この三名が、やがて、梁山泊のどんなものかを知って、翻然と、仲間入りを約したのは、いうまでもあるまい。いや、この三者ばかりでなく、官軍の虜兵幾千という者もまた、これに近い寛大な処置に浴した。

老兵やら、年若い少年兵には、かねをくれて、それぞれの故郷へ返してやり、望む者だけを、泊兵の内に入れた。――さらには、薛永、時遷などを、ひそかに東京へ派して、蒲東にある関勝の家族たちをも、ひそかに、梁山泊へひきとる手配なども、忘れられてはいなかった。

こうして、いつか冬も、深くなっていた。