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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
贈り物とは、その二た品に違いない。高※(「にんべん+求」、第4水準2-1-50)は、この日の使いに、何か、会いがたき機会にめぐまれた思いと、晴れがましさを抱いて行った。
なにしろ、端王と申しあげる君は、先帝の第十一皇子で、今上哲宗皇帝の弟君にあたられ、東宮(皇太子)のご待遇をも受けておられるお方なのだ。いや、高※(「にんべん+求」、第4水準2-1-50)が内々、この君へ傾倒していたわけは、教坊の妓女たちが、あんなに騒いだのを見てもわかる通り、たいへん粋な貴公子だと、かねがね聞いていたからでもあった。
琴棋書画の雅びは、もちろん、管絃の遊び、蹴鞠、舞踊、さては儒仏の学問も、つまびらかなうえ、市井の人情にもつうじている風流子であるとは、この開封東京の都で、たれ知らぬ者もない評判なので、彼は、
「なんとか、いちど、とっくりお話をしてみたいものだ。その道にかけての極道百般を、この高※(「にんべん+求」、第4水準2-1-50)から聞こえあげたら、かならず又なき者と、お目をかけてくださるに違いないが」
と、こころひそかに、久しいこと、野望していたものだった。