轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

まあご安心なさい。大船に乗った気で」

客の絶えぬ家である。客を遇すことも厚い彼だが、とくに宋江と宋清に対しては親切だった。頼みがいのある人のところへ来てやはりよかったと、二人は世間のひろさを感じながら、つい数日もすぐ過ぎていた。

と或る日のこと。

「そうご書見ばかりでも飽きましょう。すばらしい珍味が今日は揃いましたから」

柴進が特に心入れの宴をもうけ、その日は夜まで興に入って飲みあった。上の悪政、下風の頽廃、男と男の胸襟を解けば、人生如何に生くべきか、まで話はつきない。

そんな間に、宋江はふと、

「ちょっと、失礼を」

と、厠へ立った。そして紙燭を借り、用をすますと、ふと夜風恋しく、べつな廊下を曲がって行った。そしてなおまた、廊づたいに暗い一室の前まで来て、何かにごつんと躓いたものだった。

悪いことには、その弾みに、手の蝋燭が、そこの暗がりで背を丸くしていた男の頸すじへでも落ちたらしい。男はふいに、

「ア熱、熱、熱っ……」

と大げさに跳び上がり、やにわに宋江の胸ぐらつかんで突ッかかった。

「眼はねえのか、この野郎っ」

驚いたのは、宋江の方だって同じである。