轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
「いい刀がありますね。道中、腰淋しくてならなかったところだ。一本売ってくれませんか」
「とんでもねえ」と、若者は一笑した。「――あれには一本一本、みんな番号がついてるからね、失くしたら大変なのさ。第一売り物じゃありませんよ」
「じゃあ何だって、飾り立てておくんですえ」
「知らねえのかい、お客さん。ここらはもう名うてな梁山泊に近いので、いつなんどき、やつらが襲って来ないとも限らないから、その要心に備えてあるのさ」
三人はそっと目顔を見あわせた。
宿の若者はそれとも気づかず、酒の機嫌も手つだってか、喋々と“わしが国さ”のお郷自慢だの、また、自分らの上にいただく地頭の“わが殿自慢”を一席ぶった。
それによると。たそがれ。
ここの軒から彼方に見えた一座の高山を、独龍山といい、その中腹に、この地方を統治している祝朝奉という豪族が代々住んでいる。
その祝家には、世間で、
祝氏ノ三傑
と、敬称している三人の優れた子があり、麓のあちこちには、百戸、二百戸、また六、七百戸といった按配に、部族部族の村があった。さらにはまた、百里二百里の外にまで、小作百姓の聚落を擁しているので、その勢力と財富とは、宛として、一国の王侯もおよばぬほどのものだというのであった。