轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

ただ一道をさしてつき破れ」

ところが、たちまち全軍の足はバタと止まり、逆に先の方から押し戻されて来る。「なぜ進まん?」と後ろでいえば、前方は行き止まりの袋路次だという。「では、べつな方へ」と転進すれば、そこでもまた行く手にあたって、カラ濠があり針金の柵があり、小道を探ッてみてもソギ竹だらけで歩けもしない大藪の闇だとある。

「ああ、惨たる敗北! これがこの宋江の最期とは」と彼は嘆じた。だがそのとき、天来のような騒めきが殿軍からつたわって来た。「石秀だ」「石秀が来た!」というのである。「はて?」と疑うまもなかった。まぎれもないその石秀が宋江の馬前へ来ていた。彼は昼からの仔細を早口に告げ、そしてなお、ここの迷路についてこう呶鳴った。

「ただやみくもに歩いても、迷うばかりで荘の外へは抜け出られませんぞ。白楊樹が正しい道の目じるしです。曲がり角へ出たら、なんでも白楊の立木を目あてに折れ進んで行ってください」

やがて方向はそれによって駸々と支障もなく流れだした。しかしその進路にはまた伏兵のうごきが見え、その動きはいよいよ執拗に、いよいよふえるばかりだった。そこで宋江はかさねて石秀にただしてみた。